ベルセルク
ボクがベルセルクに初めて出会ったのは10代の頃だった。
よく遊びに行っていた友人宅に見慣れぬ雑誌があった。
それがヤングアニマルだった。
当時のヤングアニマルは、どマイナーなマンガ誌で限られたコンビニにしか並んでいなかった。
その雑誌の中で、谷仮面、総理大臣織田信長、ベルセルク、この3つの漫画が印象に残った。
特にベルセルクは圧倒的画力で描かれたダークファンタジーで、あっという間に心を奪われた。
身長以上の巨大な剣、左手の義手には大砲。
傷だらけになりながらも大剣ドラゴンころしで魔物をぶった切る姿はカッコよかった。
すぐさまコミックを買い一気に読んだ。
ベルセルクは、はっきりいって陰鬱な物語である。
過去編の青春パートも救いようのない闇の部分のフリでしかない。
それでも面白かった。なかなか回収されない伏線に想像を膨らませ次の連載を待った。
ある時期から休載が続いた。
年単位での休載もあり、いつしか読むのをやめてしまった。
もう完結しないだろうな、と感じていた。
あまりにも壮大な世界、書き込まれた画ゆえに、そう感じた。
そして今日2021/05/20に作者三浦建太郎先生の訃報が流れてきた。
完結は諦めていた。だがこんなかなしい打ち切り方は想像していなかった。
世の中には完結させてもらえず蛇足になるマンガもある。
こうして完結できずに終わってしまう漫画もある。
そう考えると自分が好きな作品が最終回まで読み切れるというのは幸せなことだと改めて思う。
多くの漫画家のみなさんを尊敬して止まない。