読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

BOSEは1日にしてならず

記事単位で開けばリンクが新規ウィンドウで開くようになり便利です。

正月の特大ブーメラン

ボクは埼玉に住んでいるが、子供の頃から初詣は川崎大師に行っていた。
理由はよくわからないが、父の仕事仲間家族と一緒に車何台も連なって行っていた。
三が日は混んでいるので、5日あたりにずらしていくのが毎年の恒例だった。

 クリスマスパーティでいつでも食べられるケンタッキーフライドチキンを普段以上に高いテンションで食らい、10日余りで初詣に行くというスタンダードな無宗教庶民のボクにとって初詣自体は、相手が神様だか仏様だかどっちなのかもわからないくせに小銭を投げ入れ、その見返りに家族全員の健康を祈願するという図々しさ満点の「こなす」行事だった。

目的は屋台の焼きそばやフランクフルトなどの食い物と、帰り際による普段行けない大型スーパーに行くことがメインだった。

 そんな純粋な少年時代も過ぎ、十代後半ともなると免許を取得し運転できるようになり、何家族かの子供だけで1台の車に乗りこみ、交代しながら川崎までのドライブを楽しむようになった。

 その道中で車の中から街を行き交う人を見ては、こんな悪態をついて嘲笑していた。

「正月からパチンコ屋がこんなに混んでいるぜ。ヒマなやつらだなぁ」
「正月からマクドに並んでいる。相当ヒマだな」
「正月なのにバッティングセンターやってる。ここに来ている客はヒマ過ぎだろう」

 正月からこんなこと言いながらヒマ人を探している自分たちが、誰よりもヒマだと気づくのは何年も経ってからだった。