BOSEは1日にしてならず

思ったことを書き残すスタイル。食べたもの、観たもの、読んだもの、今やっているゲームのはなし。

荒井清和先生に似顔絵を描いていただくinイオンレイクタウン

という夢のような体験が出来たので人生のログとしてここに書き記します。

荒井清和先生とは、

べーしっ君やTVウォッチャーの逆襲などの作品の漫画家であると同時に、ファミコンオホーツクに消ゆいただきストリートなどゲームの原画・キャラクターデザインを担当されたイラストレーター。
そしてボクらファミコン世代にとっては、なんといってもファミ通(当時はファミコン通信)の目玉コンテンツだったクロスレビューのレビュアーのイラストが印象的。

シンプルなラインとコミカルな等身で、その人の特徴を表現されているイラストは唯一無二。
クロスレビューのイラストで先に知り、その後ファミ通誌面に写真で登場した際に、すぐ「あっ浜村通信だ」とわかるくらい似ていてびっくりした記憶がある。

べーしっ君 完全版 (立東舎)

べーしっ君 完全版 (立東舎)

 
TVウォッチャーの逆襲 (Hobonichi books)

TVウォッチャーの逆襲 (Hobonichi books)

 

その日の事をつらつらと・・・

8時に奥さんと家を出て、Moriでパンとコーヒーで朝食。
9時前に外を歩いてkazeに移動。オープンと同時に1階から入る。
3階の似顔絵コーナーの位置を把握しておらず半周。
9:03に到着したら既に並ばれている方が一人いた。

9:15頃荒井先生が準備にいらした。
本物だーと興奮しつつも、平静を装う。
作品のコピーをイーゼルに貼り出されている。
こういうこともご自身でやるのか、と驚く。
あまりジロジロ見るのは失礼だと思い、少しTwitterなどをやりつつ時間をすごす。
画材の準備等をされ、レジの使い方をもうひとりの画家さんにレクチャーを受けられていて、会計までご自身でされるのかとまた驚く。

10時になり前に並んでいた方が席に着いて似顔絵描きが始まる。
40~50分ほどして、ボクの番になったので着席。
めちゃくちゃ緊張する。

先生)今日はどんな感じにしますか?
ボク)先ほど(一人目)のかたと同じように全身でお願いします
先生)ポーズとか衣装とかご希望ありますか?

えっ?そんなことまでリクエストできるの?考えていなかった・・・どうしよう
と軽くテンパりつつも、平々凡々な自分自身を描いていただこうと

ボク)今日のこの格好で普通に立っている状態でお願いします。
と答えた。

シャープペンで色紙に全体像を下書き。うぉークロスレビューのあの等身だ、と興奮。

先生)今日は何で知って来られたんですか
ボク)昨夜Twitterでレイクタウンに来られるという先生のツイートを拝見しまして、こんな近所にお越しになるなんて行くしかないと思って来ました。

先生)へぇ、お近くなんですか。昔から?
ボク)もともとは越谷ではないのですが、引っ越してきました。学校が越谷で友人もこの辺りに住んでいてよく遊びにきていました。この辺りは何もなかったのに、こんなデカい商業施設と駅が出来て当時は驚きました。
先生)レイクタウンっていうからには湖があるんだろうけど一度も見たことがないんですよ。一度見てみたいと思っているんだけど。
ボク)湖なんて大層なものではないですよ。ため池みたいなもんで人工貯水池です。kazeから渡り廊下でアウトレットに抜けてその先にあります。すぐそばなのでお時間があればお立ち寄り下さい。

というように、色々話しかけていただき緊張も徐々にほぐれていきました。

一通り等身の枠を描き終わるとそこに顔を描き込んでいきます。
似顔絵なので当たり前ですが、めっちゃ顔を見られます。
こんなに顔を見られることはないので、なんとも気恥ずかしいです。
しかし、プロとして作品作りのために顔をみていただいているので、ボクも真っ直ぐに先生に視線を向けます。

先生)両目で二重の具合が違いますね。左は深いけど右は少し二重。
さすがプロ。自分でも忘れていた特徴をすぐに指摘されました。

ここで、ふと気付きます。そもそも人間って自分の顔を俯瞰で見ることはほとんどなくて、1日数回鏡越しに、しかも左右対称でしか見ることが出来ない。
実は自分の顔は、誰よりも自分が知らないのではないか、と。

先生)誰かに似ていると言われたことあります?
ボク)レギュラーのふたりを足して2で割ったと言われたことがあります。
先生)レギュラーって(笑)しかもふたりを足した感じってすごいですね。レギュラーっていうよりあるある探検隊っていう方が有名ですよね。
先生)なんとなく吉田戦車さんに雰囲気似ていますよ。
ボク)えっ、そうですか?吉田戦車先生のお顔が頭に浮かばなくて・・・
先生)そうですね。彼はあまり顔を出すことないですから。

伝染るんです。も好きな作品なので、ちょっと嬉しかったりします。

その後も、以下のようなゲームの話やよく見るスポーツの話しなど色々と話しをしました。

ファミ通のレビュアーのイラストは昔は直接会って描いていたけど、最近は写真を送ってもらって描くことがほとんど
ドラクエは(当時RPGがなかったので)最初やったときは、なんだこれはと思った
・あのシンプルさとサイズ感がちょうどよかったかもしれない
・リアルタイムで遊んでいない世代は1→2→3と順番に遊ばないので、3を先にやっちゃうと一人旅の1は面倒だろうな
・順番じゃないと3のあそこでの感動が堪能できない
・スポーツ人気はタレント性がある人の存在で左右される
・昔は卓球がここまで人気になるとは思っていなかった
・卓球がここまで市民権を得たのは福原愛選手の功績が大きいかもしれない
・サッカーは勝てなかったら、また協会叩かれるんだろうな

などなど。※上記は先生とボクの会話ごちゃまぜです

そんな会話をしつつ、色紙の上では似顔絵画がどんどんと完成に向かって進んでいきます。

ペン入れは、油性マジックで描かれます。
いわゆる通常の油性マジックなのですが、それできれいなラインが描かれていきます。
やっぱりプロってすごい。
巨大な練り消しで下書きを消した後に絵の具で色入れが始まります。

水分を多く含ませた筆にパレットから色を溶かして吸わせ色紙にさっと塗っていく感じです。
ラインの上を筆が走っても、油性マジックが水性絵の具をはじいてラインは残ります。
なるほど、この水分多めの筆は色合いだけでなく作業性も兼ねているのか。
とプロの仕事に感心しきりです。

黒いスニーカーは黒絵の具で塗ることでせっかくのラインが消えてしまいました。
すると水を含ませた筆でスニーカー部を濡らし、ティッシュに黒絵の具が溶け出した水分を吸わせます。
これを何度か繰り返すことで、黒いスニーカーだけどラインも見えるようになりました。

最後にサインも入れていただき、完成したのがこの一枚です。

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もうね、宝物ですよ。
あの時Twitterを見ていてよかった。この日が休みでよかった。と色んな事に感謝です。